【皮膚】パターン脱毛症について①

こんにちは。皮膚科の馬場です。
梅雨もあけて、とんでもない暑さになってきましたね。。
みなさん熱中症にはお気をつけください。

今日は犬の脱毛症の中でも、すこしマニアックな脱毛症である「パターン脱毛症」について解説していきます。

パターン脱毛症は、人の男性型脱毛症(male pattern baldness)に似ており、毛の成長期が短くなってしまうことで、毛が細く短くなり、抜けてしまう疾患です。

特定の犬種(ミニチュアダックスフント、チワワ、ボストンテリア、イタリアングレーハウンドなど)に発症しやすく、若齢で発症し、ゆっくりと、左右対称に進行するのが特徴です。
原因はわかっていませんが、好発犬種が知られていることと若齢から発症することから、何かしらの遺伝子が関係しているのでは?と言われています。

パターン脱毛症には、脱毛する部位によっていくつかの型があります。

①腹側型

最も多い型であり、様々な犬種で見られます。
体の腹側(首、胸、お腹)の毛が、6ヶ月齢頃から脱毛し始め、1年ほどで部分的もしくは、完全に脱毛します。

②耳介型

ミニチュアダックスフントによく見られる型で、耳介の毛が6〜9ヶ月齢頃から脱毛し始め、8歳〜9歳にかけて完全に脱毛します。
脱毛部は色素沈着を伴うこともあります

③その他

上記の2つの型以外にも、お腹から太ももにかけて脱毛する型や、首と尻尾が脱毛する型もあります。

診断は、犬種や年齢、分布が合っているかに加えて、抜毛検査、皮膚生検を実施することで行います。
また、似ている脱毛症の除外も必要です。

この病気は、すこしマイナーな疾患であまり良く知らない獣医さんもいらっしゃいます。
なんだか毛が薄い、ちゃんと診断されていない、などお困り事がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

次回は治療のお話をします。

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