【歯科】歯を温存するために歯周外科治療を行なった症例④

歯科担当獣医師の森田です!

以前紹介したブログ「歯周外科治療とは」を解説しました。
今回はそんな歯周外科治療及び歯周組織再生治療を行なった症例を報告させて頂きます。

犬歯の歯周病

下の写真を見てみましょう。
これはプロービングと言って歯周ポケットの深さを測る検査です。
歯肉はそこまで後退していないのに対して、写真2枚目の犬歯裏側の歯周ポケットは非常に深く、
歯科レントゲンでも歯槽骨の融解を認めました。

意識がある状態では見えないような場所も、麻酔下でしっかり精査することが重要です。
犬歯の裏側は一見分かりづらいですが膿が溜まっています。
歯肉を清掃すると奥から溜まっていた膿が排出されました。

⚠️血液が写ります。

この歯を歯周ポケット内まで綺麗にすることももちろん意義はありますが、そのまま処置を終えてしまうとこの空間に再度歯垢が溜まり歯周病はすぐに再発してしまいます。

そのため、この症例では

・ルートプレーニング:歯周ポケット内の歯面を円滑にする手技
・キュレッタージ:歯周ポケットを梁している上皮細胞を剥がす手技

・歯周組織再生医薬品の充填
・硬口蓋と歯肉の縫合

を行いました。

歯周ポケット内の膿を清掃し、キュレッタージを行います。

清掃した空間に歯周組織再生医薬品を充填します。

縫合は数ヶ月で吸収される糸で行っているため抜糸の必要はありません。
歯周病の進行具合やお家でどこまでデンタルケアができるかなど総合的な判断をもとに治療を選択する必要がありますが、
歯を温存したいという方に提示できる治療だと思います。

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