こんにちは。皮膚科の馬場です。
今日は、犬のアトピー性皮膚炎の治療法の一つである「サイトポイント」についてお話しします。
サイトポイントとは?
サイトポイントは、イヌ化抗イヌインターロイキン(IL)-31モノクローナル抗体(lokivetmab)を使った注射薬で、アトピー性皮膚炎の症状である「かゆみ」を抑える効果があります。
サイトポイントの効果
- 投与量: 1 mg/kg 皮下注射
- 有効率: 57–88%
- 効果持続期間: 約1ヶ月
IL-31とは?
IL-31は、かゆみを引き起こす物質(サイトカイン)であり、末梢神経に直接作用してかゆみを誘発します。また、かゆみ神経の伸長を促進する働きもあります。サイトポイントはこのIL-31の作用を抑えることで、かゆみを軽減します。
サイトポイントの特徴
- 迅速な効果: 注射後、短期間でかゆみが軽減されることが確認されています。
- 長期の効果: 継続して使用することで効果が安定し、痒みの軽減が長期間持続します。
- 安全性: これまでの研究で、副作用はほとんどなく、長期間使用しても安全であることが報告されています。
サイトポイントを使うタイミング
- アトピー性皮膚炎の症状が軽度~中等度の場合
- 他の薬(例:アポキル)で管理が難しい場合
- 長期的な治療を必要とする場合
投与のメリット
- 投与間隔が1ヶ月程度なので、投薬ストレスが少なく、継続しやすいです。
- 併用薬の制限がないため、他の治療とも組み合わせて使用できます。
- 全年齢で投与可能なので、若い犬から高齢犬まで幅広く使用できます。
まとめ
サイトポイントは、アトピー性皮膚炎の犬にとって、効果的かつ安全な治療法の一つです。
使うタイミングや状況がポイントなので、かゆみで困っているわんちゃんがいらっしゃいましたらぜひ相談してください。
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