【歯科】犬の歯の矯正③

歯科担当獣医師の森田です!

皆さんはわんちゃんにも歯列矯正の治療があるのをご存知ですか?
今回のブログではどんな歯が矯正の適応になるのか、実際の症例のお写真を見ながら解説していきます。

関連ブログ「放っておくとマズイ!? 乳歯のお話

歯列矯正の適応

まず、歯列矯正とは不整咬合とよばれる歯並びや噛み合わせを、矯正装置や外科治療を用いて改善していく治療です。
わんちゃんの不整咬合にも様々なクラスがありますが、矯正の適応になるような不整咬合として以下の基準が参考にされています。

・対側の歯に当たり、正常な歯の萌出を妨げている。
・対側の粘膜、歯肉、口蓋に当たり炎症や潰瘍を引き起こしている。

それでは、下の写真を見てみましょう。

下顎の犬歯が上顎の硬口蓋に当たってしまっています。
このように、対側の口腔粘膜や歯に当たってしまう歯は矯正の適応になります。

この子は年齢が若く、不妊手術と乳歯抜歯で麻酔をかけるにあたって下顎犬歯の矯正を行いました。
矯正のやり方は様々ありますが、この子の場合は歯を支える歯周靱帯を一部切断し、抜歯した乳歯を楔のように打ち込む方法で矯正を行いました。

また、不整咬合の原因のひとつである遺残乳歯を抜歯しました。
術後3ヶ月後の歯並びです。

このように、歯の並びや生え方を矯正することで対側の歯に接触することを防げます。

まとめ

わんちゃんの歯列矯正は人ほど審美的な目的はありませんが、健康な歯を維持するために重要な治療です。
歯が反対の歯や粘膜、歯肉、口蓋に当たっている子は治療が必要な場合もありますので動物病院を受診しましょう。

神宮プライス動物病院の予約はコチラ⬇︎
03-3403-8012(歯科診療担当 森田まで)