歯科担当獣医師の森田です!
今回のブログでは抜歯処置及び口腔外科手術が必要な重度の歯周病を解説します。
このブログを参考にお家のワンちゃん猫ちゃんの歯についてぜひ理解を深めていただければと思います。
⚠️このブログでは血液や膿の写真が掲載されていますため、苦手な方はご注意ください。
全身麻酔と基礎疾患
下の写真を見てみましょう。
こちらの患者様は半年前に全身麻酔下で歯科処置を行い、写真の歯(右上顎第四前臼歯)に歯周組織再生治療を行いました。
患者様の献身的な通院もあり、術後2~3ヶ月は安定していたですが、その後の歯周病の進行により歯肉が後退し歯根が露出しています。
可能であれば機能歯(犬歯や大臼歯などの日常生活で犬が使用する歯)を残してあげたいというご希望もございましたが、
1回目の再生治療が奏功せず結果的に抜歯処置となりました。
抜歯の適応
歯科レントゲンを撮影してみるとやはり歯槽骨の融解が進んでいました。
この歯はアタッチメントロスが50%以上、多根歯でステージⅢの根分岐病変を認めたため重度歯周病として抜歯が適応となります。
多くの歯を抜歯する場合、動物の負担を軽減するため全身麻酔中であっても強い痛み止めと局所麻酔を併用します。
術後も痛み止めと抗生物質を処方いたしました。
麻酔後は大きな合併症もなく、その日のうちにお家に帰れるほどでした。
まとめ
このように、麻酔のリスクや基礎疾患を加味し治療プランを患者さんに合わせて組み立てています。
歯を抜くか抜かないか、歯槽骨の状態にも左右されますが、飼い主様の希望とデイリーケアの可否、そして術後の通院がとても大切です。
お口のトラブルでお悩みでも抜歯に対して不安があるという方はぜひ当院の歯科をご受診ください。
歯周病治療と向き合うことの大切さを学ばせて頂いた症例のご紹介でした。
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