【歯科】猫の歯周病治療②

歯科担当の森田です!

猫も人間と同じように、口腔ケアが大切です。
歯周病は猫の口腔疾患の中で最も多く、適切なケアを行わないと歯を失うだけでなく、慢性腎臓病につながることがあります。
歯周病の兆候や予防について理解しておくことが重要です。

軽度歯周病

下の写真を見てみましょう

左上顎の第3前臼歯に歯石が沈着し、歯肉が赤くなっています。
この歯は機能歯と言って、食べ物を噛みちぎるときに最も使用する歯です。
そのため歯垢や歯石が沈着しやすく、歯磨きをしないと歯周病が進行してしまいます。

歯科レントゲンを撮影してみると、ごく軽度に歯槽骨の融解が認められ、軽度歯周炎と診断しました。

猫の歯周病

猫の歯周病は肉眼的に診断することは困難で、全身麻酔下での歯科レントゲン検査によって診断されます。
とはいえ肉眼的に歯肉が後退している場合、多くの症例で中程度以上の歯周病に罹患していると考えられます。

そして中程度以上の歯周病のある猫は、健常猫に比べて慢性腎臓病を罹患するリスクが1.5倍高くなるという研究もあります。

詳しくは「猫の歯周病と慢性腎臓病のリスク」をご参照ください。

歯周病は口だけではなく、全身の問題なのです。
写真の症例の子は軽度歯周病でしたが、将来の歯周疾患・腎疾患を避けるために全身麻酔下での精査及び治療を行いました。

まとめ

猫ちゃんの歯周病は慢性腎臓病にも関わります。

  • 口臭が強くなる
  • 歯石が沈着している
  • よだれが増える
  • 食事時の痛み・咀嚼の問題
  • 歯肉の出血
  • 顔やあご周辺の腫れ

など、当てはまる症状がある子は早めに動物病院を受診しましょう。

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