【歯科】猫の牙が伸びる!?具体的な症状

歯科担当獣医師の森田です!

今回のブログでは猫の歯が伸びてしまったように見える現象について解説していきます。
この機会に愛猫のお口をぜひチェックしてみてあげてください!

この現象の名前

下の猫ちゃんの写真を見てみましょう。

向かって左側の歯が、右側に比べると赤矢印分だけ伸びているように見えますね。
これは歯の挺出と呼ばれる症状で、実際は歯が伸びているのではなく歯全体が下に向かって移動しているためこのような外見になります。

歯の挺出は猫に特有の症状で6歳以上の猫に見られますが、その原因は分かっていません。
上顎だけではなく、下顎の犬歯にも同様の症状が認められることがあります。

同時に起きやすい歯の病気

以前ブログで解説した猫の虫歯(詳しくは過去のブログ「猫の虫歯のお話」をご参照ください。)を患っている子では犬歯の挺出が有意に多かったという報告があります。延びている犬歯だけではなく他の歯にも虫歯が起こっていることもあるそうです。

また、犬歯が埋まっている部分では歯槽骨に歯が埋まっている部分が少なくなることで、歯がグラグラしたり抜けてしまうこともあります。
逆に歯根膜腔が拡大すると歯周病や歯槽骨炎を引き起こしてしまこともあります。

猫の歯の挺出は基本的には治療対象であることが多いため、飼い猫の犬歯が延びてきていると感じた方は動物病院を受診しましょう。