こんにちは。神宮プライズ動物病院の馬場です。
今回は一番相談の多い、かゆい犬へのアプローチを考えていきたいと思います。

かゆみを引き起こす病気はいくつもあります。基本はひとつずつ除外していく除外診断が必要です。
①外部寄生虫症
ノミ、疥癬、毛包虫など犬に寄生する外部寄生虫は多いです。しかし、しっかりとノミ・ダニ予防をしていれば防げるものも多いため、適切な対策をおすすめします。
②感染症
細菌感染症、マラセチア感染症、真菌感染症。代表的なものはこのくらいですが、どれもかゆみをひこ起こす代表選手たちです。もともと常在微生物として体表に生息しているものもありますが、皮膚の状態が悪化して増殖するとかゆみを引き起こすことになります。
③食物アレルギー
フードやおやつによるアレルギーです。これも比較的多く見られ、検証するには1−2ヶ月の除去食試験が必要になります。後述のアトピー性皮膚炎との併発も多いです。
⑤犬アトピー性皮膚炎
遺伝的素因の関与が疑われている疾患です。現在、犬アトピー性皮膚炎の診断は、上記①−④のかゆい疾患を除外しても尚かゆい場合に、実際の臨床症状と合わせて行うことになっています。
⑥その他
多くは上記の疾患がほとんどですが、皮膚の腫瘍や心因性(ストレスなど)、脂漏症、関節・内蔵の違和感でも”かゆみ”と似た行動を示すことがあります。
かゆみは犬本人がつらいだけでなく、飼い主さんの生活の質も下げることにつながります。
皮膚科専門診療ではではしっかり話を聞き、検査なども組み合わせて必要な対策を考えていきます。
かゆみでお困りの際はお気軽にご相談ください。