犬の歯の矯正①

歯科担当獣医師の森田です!

皆さんはわんちゃんにも歯列矯正の治療があるのをご存知ですか?
今回のブログではどんな歯が矯正の適応になるのか、実際の症例のお写真を見ながら解説していきます。

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歯列矯正の適応

まず、歯列矯正とは不正咬合とよばれる歯並びや噛み合わせを、矯正装置や外科治療を用いて改善していく治療です。
わんちゃんの不正咬合にも様々なクラスがありますが、矯正の適応になるような不正咬合として以下の基準が参考にされています。

・対側の歯に当たり、正常な歯の萌出を妨げている。
・対側の粘膜、歯肉、口蓋に当たり炎症や潰瘍を引き起こしている。

それでは、下の写真を見てみましょう。

緑色の矢印で示した下顎の犬歯が点線で示した上顎の切歯に当たってしまい、切歯が口の前方に押しやられてしまっています。
このように、対側の歯に当たってしまう歯は矯正の適応になります。

この子は年齢が若く、不妊手術と乳歯抜歯で麻酔をかけるにあたって下顎犬歯の矯正を行いました。
矯正のやり方は様々ありますが、この子の場合は歯を支える歯周靱帯を一部切断し、抜歯した乳歯を楔のように打ち込む方法で矯正を行いました。

また、下顎犬歯が当たってしまっていた上顎の切歯を2本抜歯しました。

このように、歯の並びや生え方を矯正することで対側の歯に接触することを防げます。

まとめ

わんちゃんの歯列矯正は人ほど審美的な目的はありませんが、健康な歯を維持するために重要な治療です。
歯が反対の歯や粘膜、歯肉、口蓋に当たっている子は治療が必要な場合もありますので動物病院を受診しましょう。

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