破折歯の治療③

歯科担当獣医師の森田です!

今回のブログは犬で多い第四前臼歯の破折歯の治療の解説です。
お家で欠けた歯を見つける際のポイントは過去のブログ「犬と猫、折れやすい歯はどこ?」をご参照ください。

歯が欠けてしまうと

犬猫の歯は人と同じく、歯の中に神経や血管が通っています。
歯が欠けてしまい、神経(歯髄)が出てしまった状態を露髄と言います。
露髄が起こってしまうと、細菌が歯の内部に侵入し、細菌感染が起き、歯髄は壊死し、症状が進むと根の先の炎症「根尖性歯周炎」が起きてします。

また、露髄はしなくても歯が欠けて内部の象牙質が露出してしまうと、知覚過敏などの症状につながると言われています。
いずれにしても欠けた歯は放っておかずに適切な治療を施す必要があります。

露髄してしまった歯の治療法

歯が欠けてしまい、露髄を伴う場合、生活歯髄切断もしくは抜髄治療が適応になります。
簡単に言うと生活歯髄切断は歯髄を温存する治療法、根管治療は歯髄を抜き詰め物をする治療法です。
歯髄を温存できるかどうかは以下のポイントが重要です。

・露髄してからの時間経過(1~2日以内かどうか)
・根尖周囲病巣の有無
・治療時の歯髄出血の時間(5分以内に止血できるかどうか)

下の写真は第四前臼歯が折れてしまったわんちゃんです。

第四前臼歯の先端が欠けてしまった上、歯の表面が剥がれて浮いてしまっています。

遊離した歯片を除去すると、破折は歯髄腔に達していました。
この症例は上記適応に当てはまらず、神経を抜く抜髄治療を行いました。

抜髄治療

抜髄治療は

・ラバーダムの設置
・アクセスポイントの形成
・歯髄の除去
・根管の洗浄
・根管充填
・歯冠修復形成

を行います。
この第四前臼歯は三根歯のためそれぞれの歯髄に対して治療を行う必要があります。

まとめ

この症例は歯が折れてからの発見・治療期間までが短期間であり、全身麻酔下での検査でも歯髄を残せそうな状況であることが確認できました。
日頃硬いものを噛む習慣があるワンちゃんは第四前臼歯(奥歯)が非常に折れやすいため、毎日の確認がとても大切です。

神経を残せるかどうかは発見してから受診するまでの時間がとても重要ですので、お家で気付かれた際はすぐに動物病院を受診しましょう。

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