歯茎にできもの①

歯科担当獣医師の森田です!

今回のブログでは歯肉の腫瘤ついて解説していきます。
このブログを参考にお家のワンちゃん猫ちゃんのお口の中をチェックしていただければと思います。

歯肉腫(エプリス)

下の写真を見てみましょう。

切歯(前歯)の間に歯肉と繋がったしこりようなものがあります。
また、そのしこりが切歯を圧迫し切歯の角度が変わってしまっています。

このような口の中の出来物は大きく分けて

・炎症性による肉芽増生
・良性腫瘍
・悪性腫瘍

の3パターンが考えられます。
口の中にしこりを見つけたらまず

・針生検
・組織生検

のいずれかを行うことが重要です。
針生検は無麻酔で行えるメリットがある一方で、細胞数が少なく診断精度が低くなるというデメリットがあります。
口腔内の組織生検は基本的に全身麻酔を伴いますが、組織そのものを病理検査に提出するため針生検に比べて診断精度が高くなります。

病理検査の結果によって、
経過観察でいいものか、内服薬が必要なものか、拡大切除が必要なものか等の治療方針が立ちます。

写真の症例は歯肉炎に起因する炎症性のエプリスでした。
高齢動物の口腔内腫瘤にはスピーディな診断と治療方針の組み立てが非常に重要です。

愛犬、愛猫の口にしこりを見つけた際はすぐに動物病院を受診しましょう。