こんにちは。神宮プライズ動物病院の馬場です。
本日は皮膚の石灰沈着症についてお話します。
聞き慣れない病気かもしれませんが、わりと見かけます。
この病気は皮膚の真皮になんらかの原因でカルシウム塩が沈着し、固くなって症状を起こす疾患です。
原因は大きく4つに分けられます。
異栄養性石灰沈着症
外傷や炎症、腫瘍が原因で組織にカルシウムが沈着します。過剰なコルチゾールが影響することがあり、クッシング症候群の犬でも稀に起こります。
転移性石灰沈着症
カルシウムとリンのバランスが崩れると発生します。腎不全や上皮小体の異常、ビタミンD中毒などが原因です。
医原性石灰沈着症
カルシウムを含む薬剤や製品が原因で発生します。
特発性石灰沈着症
原因不明の石灰沈着症です。他の原因を除外した後に診断されます。
石灰沈着自体に異物反応が起こったり、石灰を皮膚から排出しようとする際に、細菌感染をおこし、掻痒を伴うこともしばしばです。
多くは見た目や背景疾患などから判断できることがありますが、見慣れないとわからない場合もあります。
なかなか良くならない皮膚病など、お困りの際はお気軽にご連絡ください。