【歯科】猫の歯周病と慢性腎臓病のリスク

歯科担当の森田です!
今回のコラムでは猫の歯周病と腎臓病の関係について解説していきます。

猫に腎臓病が多い理由

猫は人や犬に比べて慢性腎臓病の罹患率が多いと言われています。

一説によると、猫の進化系統が関わっているのではないかと言われています。
猫の祖先は砂漠で生きていたため水分を節約する必要がありました。
体にとって不要な水分は尿として排泄されますが、極力水分を体内に残すために腎臓が尿を濃縮するために機能します。
そのため猫の腎臓は人や犬に比べて酷使され、機能の低下が起こりやすいのではないかと言われています

歯周病と慢性腎臓病

2018年に論文発表された研究によると、進行した歯周病のある猫は健康な猫と比較しては慢性腎臓病リスクが1.5倍高くなると報告されています。また、同じ論文内で著者は品種、年齢、歯周病の重症度が飼い猫におけるCKD発症の主要な危険因子であると結論づけています。

そして純血種は混血種に比べてリスクが高いという報告もあります。
歯周病は腎臓の低酸素状態と炎症に寄与している可能性があると指摘されており、逆に慢性腎臓病は歯肉炎を引き起こし、歯周病を悪化させる可能性があるとも言及されています。

歯周病が進行する前に治療を行うことは、歯だけではなく腎臓疾患を防ぐためにも大切ですね。

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参考文献:「Associations between periodontal disease and CKD in cats」March 27, 2018 Trevejo RT, Lefebvre SL, Yang M, Rhoads C, Goldstein G, et al. Survival analysis to evaluate associations between periodontal disease and the risk of development of chronic azotemic kidney disease in cats evaluated at primary care veterinary hospitals. J Am Vet Med Assoc. 2018 Mar 15;252(6):710-720.