こんにちは。
神宮プライズ動物病院の馬場です。
前回はアロペシアXに似ている病気②として副腎皮質機能亢進症を紹介しました。
復習になりますが、アロペシアXに似ているけど、異なる疾患というのが大きく3つです。
①甲状腺機能低下症
②副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
③性ホルモン関連性疾患
今回はそのうちのラスト、性ホルモン関連性疾患に関して説明していきます。
性ホルモン関連疾患とは、基本的に去勢手術をしていない男の子、避妊手術をしていない女の子において、精巣や卵巣から性ホルモンが過剰にでることで起こる疾患です。
多くは精巣腫瘍や卵巣腫瘍に関連しており、中高齢の犬で見かけます。
症状は、体幹部の脱毛やに加え、乳房の腫脹、包皮の下垂(オス)、外陰部の腫脹(メス)などが認められます。
治療は基本は去勢手術および避妊手術です。
脱毛がこの性ホルモン関連性疾患で起こっている場合、術後3ヶ月程度で発毛してくることがほとんどです。
過去にはアロペシアXは、去勢反応性脱毛症などと言われていたこともあります。
もしアロペシアXを疑う症状がある子で、まだ不妊手術をしていない子は、まずはそこからトライしてみるもの一つです。
愛犬の脱毛や薄毛でお困りの際は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。